部屋に熱帯魚が泳ぐ水槽を置くことは、脳的にも良いとされています。水の流れる音、揺らぐ水、泳ぐ魚を見ているだけで、脳の普段と違う分野が使われたり、副交感神経が優位になり、リラックスするのだとか。
また、こちらが動かなくても構ってくれる犬や猫と違い、魚はこちらから見に行かなければなりません。こういった行為も心理的、脳的に良いとされています。
・・・全部、ホンマでっかTVの受け売りですけど。
そういう副次的な効果までは考えないにしても、熱帯魚を飼いたいと思ったことがある人は多いと思います。熱帯魚の水槽が置いてあるだけで華やかになりますし、ペットショップで熱帯魚水槽を見たりしていると自分でもやってみたくなりますよね。
でも本格的にアクアリウム水槽を作ろうとすると、初めてだと難しいし、お金もかかるし、水槽を置く場所の問題もあります。そんな初めて熱帯魚を飼育する人には15㎝×15㎝×15㎝の小さなキューブ水槽がお勧めです。
4リットル程度なので持ち運びも簡単ですし、玄関や子供部屋など、狭いスペースでも設置できます。靴箱の上とか、カラーボックスの上とか。
この記事では実際に私が15㎝キューブ水槽でネオンテトラ水槽を立ち上げたときのメリットと方法を纏めます。タイトルにもあるように、掃除の手間がかかる濾過フィルタ、音が気になるエアーポンプを使わずに飼育しています。
15センチキューブ水槽のメリット
15㎝キューブのメリットは、何と言ってもまず「場所を取らない」ということ。また、4キロ程度の重さなので、持ち運びも容易です。
水は重たいので、少し水槽を大きくするだけで一気に重くなります。一般的な規格の目安としてはこんな感じ。
水槽のサイズ | 重さ |
15㎝×15㎝×15㎝(キューブ) | 4kg |
30㎝×30㎝センチ×30㎝(キューブ) | 38.5kg |
45×30×30(横長) | 55kg |
60cm×30cm×36cm(横長) | 81kg |
初めて熱帯魚水槽を作るなら、大きくてもこれくらいのサイズが良いかなと思います。もちろん、場所もお金も情熱も十分にあれば、いきなりもっと大型の水槽で初めるのも良いと思います。
この記事では「初めての熱帯魚水槽」「濾過フィルタを使わない」「エアーポンプも使わない」「とにかく安く手軽に簡単に」を目的としているので、15㎝のキューブ水槽をお勧めしています。
後半に書いていますが、大きな水槽では濾過フィルタもエアーポンプも必須になります。
初めての熱帯魚にネオンテトラを選ぶメリット
初めての熱帯魚にネオンテトラを選ぶ理由。飼いやすくて、買いやすくて、奇麗だから。
初めての熱帯魚、何を飼おうかな~と考えるのは楽しいですね。ペットショップに行けば大小様々、色もとりどりの熱帯魚がたくさんいます。値段も高いものから安いものまで・・・。
熱帯魚といえば最初に思い浮かべるのは「グッピー」と「ネオンテトラ」ではないでしょうか。とても有名な熱帯魚です。
初めての熱帯魚にネオンテトラを選ぶのは「安い」「奇麗」「飼いやすい」の3点が揃っているからです。グッピーもこの3点は当てはまりますが、個人的にはネオンテトラの方が群れで泳いでくれやすく、ネオンテトラの群游はとても奇麗なのでお勧めです。
15㎝キューブ水槽ではそれほど多くのネオンテトラを入れることはできませんが、少数の群れでも泳ぐ姿は優雅です。15㎝キューブだと、小さなネオンテトラで最大10匹程度でしょうか。(成体であれば4、5匹程度が適当です。)
お店にもよりますが、1匹あたりだいたい100円前後。10匹単位のまとめ買いだと500円くらいで、かなりお手頃な値段なことも最初の熱帯魚に選ぶ理由です。
また、ネオンテトラは比較的順応性が高い熱帯魚です。熱帯魚なのでヒーターは必要ですが、工夫すれば濾過フィルタやエラーポンプはなくても飼育できます。もちろん、あるに越したことはありませんが。
お勧めの水槽の立ち上げ方
15㎝キューブ水槽でネオンテトラを飼い始める時、お勧めの水槽の立ち上げ方を紹介します。私が色々調べて、実際に立ち上げた方法です。
残念ながら、最初は失敗して数を減らしてしまったりもしたので、その反省点も踏まえて記載します。
まず、絶対に必要なのはヒーターです。ネオンテトラは比較的低温や温度変化に強い魚ではありますが、冬場だと水温は朝方だと10℃近くまで下がることもあります。
部屋に人がいるときは暖房で温めているでしょうから、温度の変化も大きくなります。水温を適温の22℃~26℃程度に保つため、どうしてもヒーターは必要になります。
しかし、大きなヒーターは不要です。むしろ小さな水槽なの出来るだけ小さいヒーターを選びましょう。ヒーターが大きくなると、水槽の中で存在感があって邪魔になります。
私はこの10Wの小さなヒーターを使っています。これで十分です。
濾過フィルタを使わないために
本当は、濾過フィルタはあった方が良いです。良いのですが、15㎝キューブの小型水槽だと、どうしても場所を取ってしまいます。
それに、濾過フィルタは水をくみ上げてフィルタで濾過してから戻すため、どうしても水流を生みます。ある程度大きな水槽なら問題ないですが、15㎝キューブ水槽だとそれなりの水流になってしまいます。
ネオンテトラは水流に弱いので、水流に向かって泳ぎ続けて疲れてしまいます。水草などの逃げ場を作ってあげればよいのですが、それでも15㎝キューブだとなかなか水流を防ぎきれないのが実情です。
そこで採用したいのが「底床に濾過能力の高いソイル」を使うことと、「濾過能力のある飼育アイテムを入れる」ことです。
水槽の底には砂利や小石などではなく、濾過能力の高いソイルを敷くようにします。具体的には次のようなものです。
バクテリアが付着しており、水の濾過能力が高い底床です。これを敷くことで、普通の砂利などを敷くよりも遥かに水の汚れを防ぐことができます。
また、水の透明度が高くなるので、鑑賞のことを考えても大きなメリットです。この効果は結構、劇的です。小石や砂利を敷いている場合と比べると、ソイルを敷いた場合は目に見えるほど透明度が高くなります。
私はこんな感じで、最初の水槽には傾斜をつけて敷きました。傾斜をつけると水槽に奥行きが生まれるなど変化が生まれるのですが、15㎝キューブだとソイルが入ることによって水量が減ってしまうなどのデメリットも大きいので、推奨はしません。60㎝水槽くらいあれば、傾斜をつけた方が良いのですが。
2つ目の水槽は1.5㎝ほど平たんにソイルを引きました。こちらの方が水量が増えるし、魚が泳ぐスペースも大きくなります。
もうひとつは、次のような水の浄化能力のある飼育アイテムを入れることです。これもバクテリアの生育を助け、水を奇麗に保つ効果があります。
とはいっても、濾過フィルタを使わずに水を奇麗に保ち続けることはできません。ソイルや浄化石などで水質対策をしていても、水はだんだんと汚れてきます。見た目は奇麗に見えても、実際には汚れているので水替えは必要になります。
特に15㎝キューブ水槽は水量が4リットル程度と少ないため、大型の水槽よりも水が汚れるペースは速いです。また、魚の数が多いほど水は早く汚れます。水中の酸素濃度も低くなるので、1週間に1度程度は水替えを行いましょう。水替えポンプを使えば簡単にできます。
エアーポンプを使わないために
エアーポンプも、もちろんあった方がよいです。良いですが、15㎝キューブの小型水槽だと・・・以下略。
また、最近の製品は静かになったとはいっても、ぷくぷく音は気になります。玄関などに置く場合は気にならないと思いますが、寝室に置く場合はまず間違いなく気になります。
大型の水槽だと、どうしてもエアーポンプを外すことはできませんが、15㎝キューブ程度の小型水槽だと、「酸素の出る石」で代用することができます。
1か月ごとに交換は必要ですが、これでエアーポンプ無しでも飼育できます。ただし、魚の数はあまり多くしないようにしましょう。
一般的に、1リットルの水に対して熱帯魚1匹と言われます。15㎝キューブであれば4匹程度でしょうか。ただし、魚の大きさにもよります。
私は15㎝キューブ水槽を2つ作っていて、片方には2~3㎝程度のアカヒレ、グローライトテトラ、ブラックファントムの3種を合計4匹飼育しています。もう一つには1㎝程度の小さなネオンテトラを10匹飼育しています。どちらの水槽も脱落者を出すことなく元気に泳いでいます。
ネオンテトラはもう少し大きくなってくれば、別の水槽に移そうと考えています。2~3㎝を10匹は、さすがに狭くなりますから。
これくらいの数であれば、15㎝キューブ水槽でも、濾過フィルタ、エアーポンプを使わなくても十分に熱帯魚を飼育することができます。
まずは気軽に始めてみるのもいいかもしれません。ただし、生き物を買うことになるのでちゃんと下調べをした上で、よく考えてからにしましょう。
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熱帯魚を飼育する時のお勧めグッズ。特に初心者の方にお勧めです。
ネオンテトラを始め、様々な熱帯魚に使える餌。
消化が良いため糞の量を減らし水質悪化を抑制します。
初心者や1人暮らしの水槽ならこれ。カラーボックスの上でもOK。
フィルターなどがセットになった「これだけでOK」なセット。お勧め。
低床にするならこれ。ネオンテトラの青色が映えます。バクテリアにより水を綺麗に濾過する機能もあります。
水を綺麗に濾過する納豆菌入りのブロック。濾過フィルタと合わせてあると水替えの頻度が減ります。
15㎝のキューブ水槽。小さいですが、これだけでネオンテトラ3、4匹なら飼えます。
ヒーター。30~40㎝の水槽ならこれでOKです。
酸素を出す石。エアーポンプが無くてもこれがあればOK。エアーポンプの音が気になる人にはお勧め。
水替え用のポンプ。便利ですが、30~40㎝水槽ならスポイトで十分です。
水替えに便利なスポイト。水槽の底のゴミ掃除も同時にできます。
水槽セット
ガラス水槽、外掛け式フィルターなど水槽立ち上げに必要なものが揃ったセット。
バックスクリーンを貼るために必要なものが揃ったセット。バックスクリーンは仕上がりが綺麗な糊タイプがおすすめ。
必須用品(ろ過・エアレーション)
ろ過装置とエアレーションは静かなものを。
ろ過装置・フィルタ
静音性が高いので居住スペースに置くにも良い。交換用のバイオパックもコスパが良い。
テトラ製より若干静音性に劣るが省スペース。交換用のスリムマットは若干コスパが悪いのでまとめ買いが良い。
エアレーション用品
静音性が高いので居住スペースに置くにも良い。エアストーンはアンビリーバブルAIRがおすすめ。
メンテナンス用品
水替えと掃除はこまめに。
水替え用品
水替え時の水道水のカルキ抜き。
善玉菌で水槽底のフンや残餌などの汚れを分解。
生きた「ろ過バクテリア」で素早く生物ろ過を立ち上げる。
掃除用品
水替え時の水抜きでお馴染み。砂利などの低床を丸ごと掃除できるのでアクアリスト必須。
磁石の力で水槽に手を入れずにガラス面を掃除できる。
水温管理用品
室内に置いた水槽なら小型のヒーターで十分。水温コントローラー内臓で26℃に保つ。
水面に送風して水温を下げるクールファン。夏には必須だが、送風音が大きいので生活スペースに置いた水槽には使いづらい。
その他
エサや水槽レイアウト用の流木や石など。
エサ(餌)
顆粒タイプ。沈下性があるので熱帯魚の種類が多い水槽にも良い。
顆粒タイプ。粒が小さいのでゴールデンハニードワーフグラミーも食べてくれる。
流木・石・活着水草
ミクロソリウムは幅広い水質に対応し、非常に丈夫な水草。流木や石への活着性があり、管理しやすいのでおすすめ。プテロプス、トライデントなど種類も多い。