ペンタブ(ペンタブレット)を初めて使おうという人にお勧めしたいのが液晶ペンタブレット、通称「液タブ」です。
ペンタブには板型タブレット(通称「板タブ」)もありますが、アナログと同じレベルで描けるようになるにはかなり慣れが必要なため初心者は挫折します。(そう、私のようにな・・・)
液タブを買う場合、最も有名かつ、老舗であるワコムがお勧めです。
ワコムは板型タブレットしかなかった時代からペンタブを発売しているペンタブのリーディングメーカーです。
液タブは板タブに比べて少々お高いですが、自分への投資だと思ってこちらを選びましょう。
液晶ペンタブレットを選ぶ理由
液タブをお勧めするのは以下の2点に尽きます。特にひとつめは重要。
- 紙に描く時と同じ感覚で描ける
- 持ち運びが出来るのでどこでも描ける
液晶ペンタブレットは紙に描く時と同じ感覚で描ける
初めてペンタブを買おうという人は、今までアナログで紙に絵やイラストを描いてきたと思います。
デジタルで描こうとペンタブを選ぶとき、選択肢は「板タブ(ペンタブレット)」と「液タブ(液晶ペンタブレット)」の2つ。
板タブはパッドの上に専用ペンを使って絵を描きますが、パッド上に絵は描かれずディスプレイ上に現れます。つまり、ペンの手元を見ずにディスプレイを見ながら絵を描くことになります。
こんな感じです。
一方、液タブは液晶画面に直接専用ペンで絵を描くので、アナログと同じようにペン先で描かれる絵を見ながら絵を描くことができます。
こんな感じです。
板タブの場合は手元を見ずにディスプレイを見ながら絵を描くので、アナログと同じレベルで描けるようになるまでに時間がかかります。
慣れれば問題なく描けるようになるそうですが(私はその前に挫折しましたが・・・)、最初の方はストレスを感じるかもしれません。
その点、液タブであれば紙が液晶画面に変わるだけなので、そのままの感覚で絵を描くことができます。もちろん、液晶画面なので紙とは書き味が違いますが、板タブの違和感に比べれば微々たるものです。
実際にワコムの板タブと液タブを写真で比較してみましょう。上が板タブ、下が液タブです。
見比べてみても、液タブの方が描きやすそうだと思うのではないでしょうか。
あ、当然ですが板タブの方は別途ディスプレイが必要です。
ひと昔前は板タブしかありませんでしたし、液タブが登場した後も高額のため板タブを使わざるを得ない状況がありました。
しかし最近は液タブも普及し値段も下がってきたので、これからペンタブを買おうとするなら液タブを選ぶことをお勧めします。
この後のペンタブの比較でも書いていますが、確かに液タブは高価です。しかしそれだけの価値はあるので、ここは少し自分に投資をして液タブを買いましょう。
液晶ペンタブレットは入門者向けからプロ向けまでラインアップがありますので、自分の予算内で買えるものを選びと良いと思います。
また、型落ちした古いものや中古のものを選ぶなどで、値段を抑えることも可能です。
特に型落ちしたものは新品でも安く買うことができ、性能的にも全く不自由するものではないのでお勧めです。
ちなみにこの記事のアイキャッチで使っている液タブはCintiq 13HD DTK-1301/K0です。
価格、サイズともにコンパクトなエントリーモデルです。
液晶ペンタブレットは持ち運びが出来るのでどこでも描ける
液タブのもう一つの利点はモビリティ(機動性)に優れていることです。
持ち運ぶ端末がノートパソコンからタブレットに変わってきたように、ペンタブレットも携帯性に優れたものが選ばれるようになってきました。
板タブの場合はディスプレイが必要で、単体では絵が描けません。なので、どうしても自室以外の場所では作業ができません。
ノートPCと板タブの両方を持ち歩けば外出先でも作業できますが、作業スペースが液タブよりも必要なのでカフェなどでは難しいでしょう。
その点、液タブであればディスプレイ一体型なので、どこにでも持ち運んで作業をすることが可能です。
カフェやファミレスなどで絵を描くことだってできます。これは大きなメリットです。
私も自室じゃ作業ができないので、だいたいカフェで作業しています。
ペンタブの比較
液タブと板タブの比較
Wacomの板タブと液タブを比較してみます。
どうしても予算の関係上、板タブを選ばざるを得ない人は参考にしてみてください。
板タブは慣れるまでは大変ですが、絵が描けないわけではないので、値段や使いやすさを考慮した上で選択するのは良いと思います。
液タブが普及してきた今でも板タブの最新型がリリースされているのは、それだけ需要があるということですから。
液晶ペンタブ | 板型ペンタブ | |
値段 | 高い | 安い |
価格帯 | 8万~40万 | 5千~3万 |
慣れる時間 | 短い | 長い |
描きやすさ | アナログと同じ感覚で描ける。 紙と同様、回しながら描ける。 |
慣れれば描ける。(らしい) 回しながら描くことはできない。(自分が回ればOK) |
携帯性 | 良い。ただし、重さはある。 | 悪い。ディスプレイが必要なため。 |
液タブはプロの漫画家なども多く使っているため、いくらでも高額機種が存在します。
大きな液晶画面を求めれば求めるほど値段は高額になりますし、突き詰めればキリがありません。
趣味で楽しむレベルであれば6~8万円くらいのものが良いでしょう。
Wacomの液晶ペンタブレットモデル比較
Wacomの液タブをモデルごとに紹介します。
私のオススメは「Cintiq 13HD DTK-1301」です。
価格抑えめのエントリーモデルなので、初めてのペンタブには最適だと思います。
Wacom Cintiq 13HD
ワコム 液タブ 13.3フルHD液晶 Cintiq 13HD DTK-1301/K0。
価格を抑えたエントリーモデル。
この記事のアイキャッチで映っているモデルです。
画面はそれほど大きくないですが、趣味で絵を描くのであれば全く気になりません。
スタンドも付属しているので、自分の描きやすい角度で描くことができます。
これは手元にあるので写真付きで紹介します。
値段(参考) | 59,800円 |
画面サイズ | 13.3型 |
重量 | 本体約1.2 kg/スタンド約0.4kg |
詳細なスペックはメーカのHPをご覧ください。
Wacom Cintiq 22HD
ワコム 液タブ 21.5インチ Cintiq22HD DTK-2200/K1。
22型の大型液晶ディスプレイを備えたモデルです。20万円近くするので、エントリーモデルとは呼べないですね・・・。
セミプロレベルの方向けかなと思っています。プロフェッショナルではないけど、同人活動などで軽い趣味を超えたレベルで絵を描いている人には良いモデル。
重量が10キロ近いので、持ち運びには向きません。どっしりと自宅で作業する人はこちらを選んでも良いかと思います。
値段(参考) | 161,221円 |
画面サイズ | 21.5型型 |
重量 | 約8.5 kg(スタンドを含む) |
詳細なスペックはメーカのHPをご覧ください。
Wacom Cintiq Pro
画面サイズが複数用意されているので、自分にあったサイズを選ぶことができます。
画面サイズは13、16、24、32型まで。さらに4Kの超高画質にも対応し、専用ペンも視差を軽減してイメージ通りに描くことを可能にしているその名の通り、プロフェッショナル向け。
13型のものは最初に紹介した「Cintiq 13HD」と3~4万円しか変わらないので、この先ずっと使う続けることを考慮するとこちらを選んでも良いと思います。(3、4万円って結構違いますけどね。)
ちなみに「視差」とは液晶画面とペン先との小さな距離によって生じる「ズレ」のこと。どうしても紙に書いているわけではないので、液晶の厚さの分、実際のペン先のイメージとはズレてしまいます。これを最小限に留める技術がこのCintiq Proには搭載されています。
ただ、視差は結構すぐに慣れるので(最初から気にならない人も多い)そんなに気にする必要はないかと思います。
値段(参考) | 89,856円~361,670円 |
画面サイズ | 13~32型 |
重量 | 1.1kg~13 kg(オプションスタンドを除く)) |
詳細なスペックはメーカのHPをご覧ください。
おわりに
アナログで描いてきた人がデジタルを始めるにあたり、私はやはり「Wacom Cintiq 13HD」か「Wacom Cintiq Pro」の13型をお勧めします。
まず何よりも価格の面で参入障壁が下がることが理由です。良いものを買いたいからと液晶ペンタブレットデビューを見送っていては本末転倒です。
デジタル絵もアナログと同様に慣れと練習が必要です。少しでも早くスタートすれば少しでも早く上達するので、まずは手に入れやすいエントリーモデルから始め、数年後に物足りなくなってきたら上位モデルに買い換えるというのが良いかと思います。
いずれにせよ、液晶ペンタブレットは快適です。思い切ってチャレンジしましょう!
読書の習慣がある人は幸福度が高い、らしい。